第1問(不動産登記法・建物滅失)

問:建物の表題部所有者または所有権の登記名義人は、当該建物が滅失したときは、その日から1か月以内に、当該建物の滅失の登記を申請しなければならず、これを怠った者は10万円以下の過料に処せられる。

答:○

解説:不動産登記法57条(建物の滅失の登記の申請)が「建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その滅失の日から1月以内に、当該建物の滅失の登記を申請しなければならない」と定める。同法164条1項により、申請を怠った場合は10万円以下の過料の対象となる。実務では取り壊しの請負業者が代行することも多いが、申請義務者は表題部所有者または所有権登記名義人である点に注意する。

第2問(土地家屋調査士法・業務範囲)

問:認定土地家屋調査士は、筆界特定の手続について代理することができるが、境界の所在をめぐる訴訟における代理は、認定の有無にかかわらず認められていない。

答:○

解説:土地家屋調査士法3条1項6号は、認定土地家屋調査士に対し筆界特定の手続の代理権を与える。同項7号は、これに関連する民間紛争解決手続(ADR)の代理を認めている。一方、境界確定訴訟は司法手続であり、訴訟代理は弁護士の業務範囲(弁護士法72条本文)であって、認定土地家屋調査士であっても訴訟代理はできない。筆界特定(行政手続)と境界確定訴訟(司法手続)の区別は、調査士業務の業際を考えるうえで重要な分水嶺となる。

第3問(民法・相隣関係)

問:境界線から50センチメートル未満の距離に建物の築造をしようとする者があるときは、隣地の所有者は、その建築の中止または変更を求めることができる。ただし、建築に着手した時から1年を経過し、または建物が完成した後は、損害賠償の請求のみをすることができる。

答:○

解説:民法234条1項が境界線から50センチメートル以上の距離を保つ義務を定め、同条2項本文が違反建築への中止・変更請求権を定める。同項ただし書により、建築着手後1年経過または建築完成後は損害賠償請求のみとなる。なお、同法236条は異なる慣習がある場合にはその慣習に従うとしている。また、建築基準法65条所定の要件(防火地域または準防火地域内で外壁が耐火構造である建築物)を満たす場合には民法234条1項は適用されないとした判例があり、実務上は建築基準法との関係に注意を要する(最判平成元年9月19日民集43巻8号955頁)。

第4問(測量計算・座標と方向角)

問:平面直角座標系において、点A(X = 100.000 m, Y = 200.000 m)から点B(X = 150.000 m, Y = 250.000 m)に至る測線ABの水平距離Dおよび方向角T(X軸正方向を起点とした時計回り)を求めよ。

答:D = 70.711 m、T = 45度00分00秒

解説:

水平距離:

$$ D = \sqrt{(\Delta X)^2 + (\Delta Y)^2} = \sqrt{(150 - 100)^2 + (250 - 200)^2} = \sqrt{2500 + 2500} = \sqrt{5000} \fallingdotseq 70.711 \text{ m} $$

方向角:

$$ \tan T = \frac{\Delta Y}{\Delta X} = \frac{50.000}{50.000} = 1 $$

ΔX > 0、ΔY > 0 で第1象限なので、T = arctan(1) = 45度00分00秒。

平面直角座標系(測量法11条1項1号、平成14年国土交通省告示第9号)では、X軸(真北方向)を基準として時計回りに方向角を測るため、ΔXとΔYの符号で象限判定をしてからarctanの値を補正する点が要となる。

第5問(不動産登記規則・地積測量図の縮尺)

問:地積測量図は、原則として250分の1の縮尺によって作成しなければならない。ただし、当該縮尺により図示することが適当でないと認められるときは、これと異なる縮尺によることができる。

答:○

解説:不動産登記規則77条3項本文は「地積測量図は、250分の1の縮尺により作成するものとする」と定め、ただし書で「土地の状況その他の事情により当該縮尺によることが適当でないときは、この限りでない」としている。なお、建物図面は500分の1、各階平面図は250分の1(同規則82条3項)など、図面の種類ごとに原則縮尺が定められている。実務では1筆の形状や面積の大小により、読み取りやすい縮尺が選択される。

出題分野の振り分け

分野 主な根拠条文
第1問 不動産登記法(建物滅失) 不動産登記法57条・164条1項
第2問 土地家屋調査士法(業務範囲) 土地家屋調査士法3条1項6号・7号、弁護士法72条
第3問 民法(相隣関係) 民法234条・236条
第4問 測量計算(座標・方向角) 測量法11条1項1号、平面直角座標系
第5問 不動産登記規則(地積測量図の縮尺) 不動産登記規則77条3項