第1問(測量法・士補の業務範囲)

問: 測量士および測量士補の業務に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(ア)測量士は、測量に関する計画を作製し、または実施することができる。 (イ)測量士補は、測量士の作製した計画に従い、測量に従事することができる。 (ウ)基本測量または公共測量は、測量士または測量士補でなければ実施してはならない。 (エ)測量士補となる資格を有する者は、登録を受けなくても「測量士補」の名称を用いて測量に従事することができる。

答: (エ)

解説:

  • ア:正しい。測量法48条1項
  • イ:正しい。測量法48条1項(士補は計画作製ができず、士の作製した計画に従う)。
  • ウ:正しい。測量法48条2項
  • エ:誤り。測量法49条1項により、測量士または測量士補は国土地理院の長の登録を受けなければ、それぞれの名称を用いて業務に従事することはできない。試験合格はあくまで資格要件であり、合格しただけで「測量士補」を名乗ることはできない。なお、登録権者は国土地理院の長である点は混乱しやすい(国土交通大臣ではない)ので併せて押さえておきたい。

第2問(多角測量・トラバースの種類)

問: 多角測量(トラバース測量)におけるトラバースの種類に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(ア)開放トラバースは、出発点が既知点であるが終点に既知点がないトラバースで、点検計算ができないため精度確認には適さない。 (イ)閉合トラバースは、出発点と終点が同一の既知点となるトラバースで、点検計算による精度確認が可能である。 (ウ)結合トラバースは、出発点と終点が異なる既知点となるトラバースで、点検計算による精度確認が可能である。 (エ)公共測量における基準点測量では、原則として開放トラバースが採用される。

答: (エ)

解説:

  • ア・イ・ウ:正しい。トラバースの3類型と点検計算の可否。
  • エ:誤り。公共測量の基準点測量では、点検計算ができる結合トラバースまたは閉合トラバースが原則として採用される。点検計算ができない開放トラバースは精度の確認ができないため、原則として用いない。

第3問(基準点測量・距離補正の手順)

問: トータルステーション等で観測した斜距離を平面直角座標系の距離に補正する手順に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(ア)気象補正は、観測時の気温・気圧から、屈折率が標準値とずれた分を補正する。 (イ)標高補正は、観測点の標高に応じて、測線を地球の楕円体面に投影した場合の縮みを補正する。 (ウ)縮尺補正(投影補正)は、平面直角座標系における地点ごとの縮尺係数の違いを反映する補正である。 (エ)平面直角座標系の縮尺係数は、原点で1.0000となり、原点から離れるほど常に1.0000より大きくなる。

答: (エ)

解説:

  • ア・イ・ウ:正しい。距離補正の3段階(気象補正→標高補正→縮尺補正)。
  • エ:誤り。平面直角座標系(ガウス・クリューゲル投影)の縮尺係数は、座標原点で0.9999となるよう設定されており、原点から離れるとともに変化する。Y軸(東西)方向に約90km離れた地点で約1.0000となり、それ以遠ではさらに大きくなる。原点で1.0000ではない点に注意。

第4問(水準測量・誤差処理と標尺取扱い)

問: 水準測量における誤差処理および標尺の取扱いに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(ア)標尺は、基準温度(通常20℃)から大きく異なる気温で観測する場合、温度補正を行う必要がある。 (イ)標尺の目盛が真の長さからずれている場合、標尺定数(尺度補正値)を用いて補正する。 (ウ)2本の標尺を交互に用い、観測区間数を偶数にすることで、標尺定数の系統的な影響を軽減できる。 (エ)標尺の0点誤差(零点誤差)は、後視と前視の視準距離を等しくとることにより消去できる。

答: (エ)

解説:

  • ア・イ・ウ:正しい。
  • エ:誤り。等距離観測で消去できるのは視準線誤差および地球曲率・大気屈折による誤差であって、0点誤差ではない。0点誤差は標尺の構造的な誤差で、観測区間数を偶数にすることで(同一標尺を後視と前視に同回数用いる、または2本の標尺を交互に使う)軽減・消去する。等距離観測と区間数偶数化は別の技法であることに注意する。

第5問(GNSS測量・観測方法と基線解析)

問: GNSS測量の観測方法および基線解析に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(ア)スタティック法は、観測点に複数のGNSS受信機を据え付け、衛星信号を長時間(通常1時間以上)同時受信して受信機間の相対位置(基線ベクトル)を求める方法である。 (イ)短縮スタティック法は、観測時間を短縮した手法で、1級基準点測量における長距離基線の観測に標準的に用いられる。 (ウ)GNSS測量では、基線ベクトルの解析において、複数衛星からの位相観測値を組み合わせた二重位相差等が用いられる。 (エ)GNSSの相対測位(基線解析)では、2点で同時観測することで、衛星時計誤差・受信機時計誤差等の共通誤差を消去できる。

答: (イ)

解説:

  • ア:正しい。
  • イ:誤り。短縮スタティック法は、観測時間を短縮した手法であるが、1級基準点測量における長距離基線では用いられない。1級基準点測量の長距離基線では、通常のスタティック法(長時間観測)が標準。短縮スタティック法は3級・4級基準点測量等の短距離基線で使用される手法である。
  • ウ:正しい。位相二重差・三重差は基線解析で広く用いられる。
  • エ:正しい。相対測位の根幹は共通誤差の消去にある。

第6問(写真測量・UAV)

問: UAV(無人航空機)を用いた写真測量に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(ア)UAV写真測量では、空中三角測量およびSfM(Structure from Motion)処理により、複数の写真から3次元点群データを生成する。 (イ)UAV撮影では、空中写真同士のオーバーラップを80%程度、サイドラップを60%程度と、従来の有人空中写真測量より大きくとることが多い。 (ウ)対空標識(地上標識)の設置と座標計測は、UAV写真測量の精度を保つために省略してよい。 (エ)UAV写真測量で得られる成果には、オルソ画像、数値表層モデル(DSM)、数値地形モデル(DTM)等がある。

答: (ウ)

解説:

  • ア:正しい。SfMはUAV写真測量の中核技術。
  • イ:正しい。UAVは飛行高度が低く1枚あたりの撮影範囲が狭いため、立体視と精度確保のためオーバーラップ・サイドラップを従来より大きくとる。
  • ウ:誤り。対空標識(あらかじめ地上座標が既知の点)は、UAV写真測量の外部標定および精度保証のため必須。省略すると地上座標との整合性が確保できない。
  • エ:正しい。

第7問(路線測量・単曲線の要素)

問: 路線測量における単曲線の要素に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(ア)単曲線の要素には、交角IA、曲線半径R、接線長TL、曲線長CL等がある。 (イ)BC(曲線始点)は、IP(交点)から接線長TL分だけ手前の点である。 (ウ)EC(曲線終点)は、BCから曲線長CL分だけ進んだ曲線上の点である。 (エ)単曲線の接線長TLは、TL = R × tan(IA) で計算される。

答: (エ)

解説:

  • ア・イ・ウ:正しい。
  • エ:誤り。単曲線の接線長は TL = R × tan(IA / 2) で求められる(交角の半分の正接に半径Rを掛ける)。曲線長は CL = R × IA(IAはラジアン)で表される。半角(IA/2)であることを忘れて誤る受験者が多い箇所。

第8問(河川測量)

問: 河川測量に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(ア)河川測量における平面測量とは、河岸線および河川区域の境界等を平面図上に表す測量である。 (イ)深浅測量は、河床の深さ(水深)を測定して河床面の形状を把握する測量で、音響測深機等を用いる。 (ウ)河川の横断測量における測線は、河川の流心線に対して原則として直角に設置する。 (エ)水準基標測量で設置される水準基標は、河川全川にわたって100m間隔で設置することが原則である。

答: (エ)

解説:

  • ア・イ・ウ:正しい。
  • エ:誤り。水準基標は、河川縦断測量および水位観測の基準点となる水準点で、設置場所・間隔は河川の規模・縦断勾配・水位観測所の配置等に応じて選定される。一律「100m間隔」と機械的に決まるルールはない。

第9問(地形測量・航空レーザ測量)

問: 地形測量および航空レーザ測量に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(ア)TS地形測量では、トータルステーションを用いて地形・地物の3次元座標を直接取得する。 (イ)数値地形測量における取得項目には、地形(等高線・標高点)と地物(道路・建物・水部等)の両方が含まれる。 (ウ)航空レーザ測量では、レーザの往復時間と航空機の位置情報・姿勢情報から地表面等の標高データを取得する。 (エ)航空レーザ測量で得られる原データから直接得られるのは地表面の標高(DTM)であり、樹木・建物等の地物は含まれない。

答: (エ)

解説:

  • ア・イ・ウ:正しい。
  • エ:誤り。航空レーザ測量から直接得られるのは、樹木・建物を含むDSM(数値表層モデル:Digital Surface Model)である。樹木や建物などの地物を除去するフィルタリング処理を経て初めて**DTM(数値地形モデル:Digital Terrain Model)**が得られる。DSMとDTMの違いは航空レーザ測量の頻出論点。

第10問(用地測量・座標法による面積計算)

問: 用地測量および面積計算に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(ア)座標法による面積計算は、各筆界点の平面直角座標値を用いて多角形の面積を求める方法である。 (イ)座標法は、三角形分割法(三辺法)と比較して、形状が複雑な多角形でも一括計算ができる利点がある。 (ウ)境界確認測量においては、隣接地所有者の立会いと境界確認書の取り交わしを経て、筆界点の座標を確定する。 (エ)面積計算における計算結果の誤差は、各筆界点の座標値の精度には依存せず、用いる計算式の選択によって決まる。

答: (エ)

解説:

  • ア・イ・ウ:正しい。
  • エ:誤り。面積計算の誤差は、入力となる筆界点座標値の精度に直接依存する(誤差伝播の法則)。座標値に観測誤差が残れば、その分だけ面積にも誤差が乗る。計算式の選択は近似精度や桁落ちに影響する程度であって、本質的な誤差源は座標値そのものの精度

出題分野

分野 中心論点
第1問 測量法 測量士・士補の業務範囲/登録権者は国土交通大臣
第2問 多角測量(トラバース) 開放/閉合/結合の3類型
第3問 基準点測量(距離補正) 平面直角座標系の縮尺係数(原点0.9999)
第4問 水準測量 0点誤差は等距離観測で消えない
第5問 GNSS測量 短縮スタティック法の適用範囲
第6問 写真測量・UAV 対空標識は省略不可
第7問 路線測量(単曲線) TL = R × tan(IA / 2)
第8問 河川測量 水準基標の設置間隔
第9問 地形測量(航空レーザ) DSMとDTMの違い
第10問 用地測量(面積計算) 誤差は座標値の精度に依存

試験日まで毎日、知識確認問題を連載していきます。今年の合格をめざして、諦めずに頑張っていきましょう‼