第1問(測量法)— 公共測量の定義
問:「公共測量」とは、基本測量以外の測量で、国又は公共団体が費用の全部又は一部を負担し、又は補助して実施する測量のうち、政令で定める一定の小規模な測量を除いたものをいう。
答:○
解説:測量法5条は「公共測量」を定義し、基本測量以外の測量のうち、(1)国又は公共団体が費用の全部又は一部を負担し、又は補助して実施する測量、(2)(1)に掲げる測量のほか、基本測量又は公共測量の測量成果を使用して実施するもので、政令で定めるものを公共測量と規定している。
ただし、同条但書により「局地的測量又は小規模な測量で政令で定めるもの」は除かれており、すべての国費・公費による測量が公共測量となるわけではない。測量士補試験の出発点として、「基本測量/公共測量/その他の測量」の区分(測量法5条以下)を確認しておくこと。
第2問(多角測量)— 閉合差と閉合比
問:単路線方式の多角測量において、観測の精度を判定する指標として、閉合差と閉合比がある。閉合比は、閉合差を路線長(路線の総延長)で除した値である。
答:○
解説:閉合差は、多角測量の起点から終点(または同一点に戻る場合の起点)まで観測値で計算したときに、本来あるべき値からどれだけずれているかを示す量である。座標の閉合差は、X方向の閉合差ΔX、Y方向の閉合差ΔYから次のように求める。
閉合差 $C = \sqrt{(\Delta X)^2 + (\Delta Y)^2}$
閉合比は、閉合差Cを路線長Lで除した値で、路線の長さに対する相対的な精度の指標である。
閉合比 $= C \div L$
公共測量作業規程の準則では、基準点測量の精度等級(1級〜4級)ごとに閉合差・閉合比の許容範囲が定められている。等級が高い(精度が要求される)ほど、許容される閉合比は小さくなる(例:1級は1/100,000程度、4級は1/5,000程度といった目安)。
第3問(水準測量)— 視準距離を等しくする理由
問:水準測量において、レベルから後視標尺及び前視標尺までの視準距離をできる限り等しくすると、視準軸誤差及び球差・気差を相殺することができる。
答:○
解説:水準測量では、レベルが完全に水平調整されていても、(1)視準軸誤差(視準線が真の水平から微小に傾くことによる誤差)、(2)球差(地球の曲率によって視準線が水平面から離れる誤差)、(3)気差(大気の屈折によって視準線が曲がることに起因する誤差)が含まれる。これらの誤差はいずれも視準距離に比例して大きくなる。
後視と前視の視準距離を等しくすれば、後視・前視のいずれにも同じ大きさの誤差が乗るため、レベル1台分の高低差を求める計算(高低差 = 後視 − 前視)で誤差が相殺される。このため、公共測量の作業規程では、後視・前視の視準距離をできる限り等しくし、その差を一定範囲内に収めることが求められる。
第4問(水準測量)— 標尺の零点誤差の消去
問:水準測量において、2本の標尺を交互に使用する場合、標尺の零点誤差を消去するためには、出発点から到着点までの測点数(据付け回数)を偶数とすればよい。
答:○
解説:標尺の零点誤差とは、標尺の0目盛が標尺の物理的な底面と一致していないために生じる誤差である。同一の標尺を常に後視(または常に前視)で使うと、零点誤差が累積する。
2本の標尺を後視・前視で交互に使い、出発点から到着点までの測点数(据付け回数)を偶数にすると、それぞれの標尺が後視・前視に同回数ずつ使われることになり、零点誤差が打ち消される。これに加えて、観測の往復観測でさらに残差を均すのが一般的な実務対応である。
第5問(GNSS測量)— スタティック法の特徴
問:GNSS測量のスタティック法では、複数の観測点に受信機を同時に設置し、一定時間以上GNSS信号を連続観測したのち、観測データを事後解析して各観測点間の基線ベクトルを求める。
答:○
解説:GNSS測量のスタティック法は、観測点に受信機を据え付けて、複数の観測点で同時にGNSS信号を長時間(公共測量では基準点の等級に応じて60分以上の観測時間が定められる)受信し、観測終了後に基線解析ソフトウェアで処理して、観測点間の基線ベクトル(ΔX、ΔY、ΔZ)を求める手法である。
精度が高く、基準点測量の主流的な手法として用いられている。これに対し、リアルタイムキネマティック(RTK)法は、固定局から移動局へ補正情報を即時送信し、移動局で観測値を確定させる方法で、応用測量・工事測量等で広く用いられる。両手法の違い(観測時間・後処理/リアルタイム・精度・用途)を整理して覚えること。
出題分野の振り分け
| 問 | 分野 | 論点 |
|---|---|---|
| 第1問 | 測量法 | 公共測量の定義(測量法5条) |
| 第2問 | 多角測量 | 閉合差と閉合比の意味 |
| 第3問 | 水準測量 | 視準距離を等しくする理由(視準軸誤差・球差・気差の相殺) |
| 第4問 | 水準測量 | 標尺の零点誤差の消去(測点数を偶数回) |
| 第5問 | GNSS測量 | スタティック法の特徴 |